取引前の企業確認
スリランカ企業が事業を続けているか確認する方法|登記抹消・清算の調べ方
以前やり取りした相手と再度取引する場合など、スリランカ企業が今も事業を続けているかを確認する方法を説明します。登記の状態と事業の実態は別であることも整理します。
公開日 2026-08-27
結論:登記の状態と、事業が動いているかは別の話です
「数年前に名刺交換した会社と、改めて取引を始めたい」 「久しぶりに連絡したが返事が遅い」—— こうした場面で確認したくなるのが、その会社が今も事業を続けているかです。
この記事で最初に整理しておきたいのは、次の区別です。
| 問い | 確認できる場所 |
|---|---|
| 登記が現在も有効か | 会社登記局(所定の手続きが必要) |
| 登記が抹消・清算の手続き中か | 会社登記局(所定の手続きが必要) |
| 事業が実際に動いているか | 登記情報には書かれていません |
この2つは、しばしば混同されます。登記が有効であることは、その会社が稼働していることを意味しません。逆に、登記上の手続きが進行していることが、そのまま取引相手としての評価に直結するわけでもありません。 判断材料のひとつとして扱うべき情報です。
スリランカの制度上の位置づけ
スリランカの会社登記はCompanies Act No. 7 of 2007に基づいて運用されており、会社登記局が所管しています。 登記のオンライン窓口であるeROCでは、Strike-Off(登記の抹消)とLiquidation(清算)について、それぞれ公式のユーザーガイドが一般公開されています。 つまり、これらは制度として存在し、手続きの窓口も整備されています。
無料でできる確認
登記のステータスそのものは、eROCの無料検索では表示されません。 表示されるのは社名と会社番号だけです。 そのため、無料でできるのは「事業が動いている形跡があるか」を外側から見ることになります。
手順 1
eROCで社名と会社番号を確認する
まず、その社名の登記が検索に出てくるかを確認します。 会社番号が分かっていれば、番号でも検索できます。
ここで見るのは社名が変わっていないかです。以前の社名で見つからず、似た社名で別の番号が出てくる場合、 商号変更や別法人の設立が行われている可能性があります。 理由は相手に確認するのが確実です。
操作手順はeROCの使い方にまとめています。
手順 2
ウェブサイトの更新状況を見る
お知らせ、製品ページ、著作権表示の年、SNSの最終投稿日を見ます。
ただし更新が止まっていること自体は、事業の停止を意味しません。BtoBの製造業では、既存顧客との取引が中心でサイトをほとんど更新しない会社が多くあります。 「気になる点」として拾い、他の材料と合わせて見てください。
手順 3
求人情報を探す
社名で求人サイトを検索します。直近で求人を出している会社は、組織として動いています。これは無料で確認できる材料の中では比較的信頼できるほうです。 逆に見つからなくても、採用予定がないだけかもしれません。
手順 4
公的なディレクトリへの掲載を確認する
輸出企業であれば、スリランカ輸出開発庁の輸出企業ディレクトリに 掲載されている場合があります。掲載内容が現在の取扱品目と合っているかを見ます。
使い方はEDB輸出企業ディレクトリの使い方で説明しています。
手順 5
連絡がつくかを、複数の経路で試す
メールだけでなく、電話、会社代表アドレス、担当者以外の窓口を試します。
担当者個人とだけ連絡が取れて、会社の代表窓口には誰も出ない、 という状態は確認項目を増やす材料になります。 一方で、単に担当者が退職しただけということもよくあります。
無料の確認で分かること、分からないこと
| 確認したいこと | 無料の確認で分かるか |
|---|---|
| その社名の登記が存在するか | 分かります |
| 社名が変わっていないか | おおむね分かります |
| 対外的な活動の形跡があるか | 部分的に分かります |
| 登記が現在も有効か | 分かりません |
| 抹消・清算の手続きが進行しているか | 分かりません |
| 事務所が現在も使われているか | 分かりません |
| 従業員が働いているか | 分かりません |
| 生産・出荷が行われているか | 分かりません |
再開する取引で確認しておきたいこと
取引を再開する場合、会社が存続しているかどうかとは別に、前回と条件が変わっていないかの確認が必要になることが多くあります。
- 担当者が変わっていないか。変わっている場合、経緯の引き継ぎがあるか
- 取扱品目や対応できる仕様が変わっていないか
- 生産能力・リードタイムが変わっていないか
- 送金先の口座名義が変わっていないか
- 登記住所・事業所の所在地が変わっていないか
送金先の口座名義については、発注・前払いする前に確認したいポイントでも触れています。
次の行動
所在地や事業所の実態を確認したい場合は実在するか確認する方法へ。調査手段全体の整理はスリランカ企業の信用調査はどうする?をご覧ください。
本記事の公的情報の最終確認日:2026-08-27
制度・手数料・画面構成は変更される場合があります。実際にお使いになる際は、各機関の公式サイトで最新の内容をご確認ください。
「登記はあるが、今も動いているか」を確認したい場合
事業所が現在も稼働しているかどうかは、訪問して確認できます。
確認したい企業がすでに決まっている方
現在は調査設計のご相談のみ受付中です。
現地調査の受付準備を進めている段階のため、現在お受けしているのは「何を確認すべきか」「現地で確認できるか」といった調査設計のご相談までです。現地調査そのものの受付開始が決まりましたら、ご希望の方にご案内します。
関連する記事
- 取引前の企業確認スリランカ企業の会社登記を確認する方法|eROCの使い方と、そこで分かること・分からないことスリランカの会社登記はeROC(Registrar of Companies のオンラインシステム)で検索できます。実際の画面で何が確認でき、何が確認できないのかを、操作手順とともに説明します。
- 取引前の企業確認スリランカ企業が実在するか確認する方法|登記・住所・事業所の確認手順取引相手のスリランカ企業が実在するかを確認する手順を、日本から無料でできることから順に説明します。地図で分かることと、地図では判別できないことの境界も示します。
- 取引前の企業確認スリランカ企業の信用調査はどうする?登記・信用情報・現地確認の違いスリランカ企業を調べる手段は、公的な登記情報、信用調査会社のレポート、現地確認の3つに大きく分かれます。目的別にどれを選ぶべきか、無料でできる範囲はどこまでかを整理します。